破れを直す者
破れを直す者

わたしの選ぶ断食とはこれではないか。
悪による束縛を断ち、軛の結び目をほどいて虐げられた人を解放し、軛をことごとく折ること。
更に、飢えた人にあなたのパンを裂き与え
さまよう貧しい人を家に招き入れ
裸の人に会えば衣を着せかけ
同胞に助けを惜しまないこと。
そうすれば、あなたの光は曙のように射し出で
あなたの傷は速やかにいやされる。
人はあなたを「城壁の破れを直す者」と呼び、「道を直して、人を再び住まわせる者」と呼ぶ。
<旧約聖書・イザヤ書58章6~8,12節>
しばらく前のことになりますが、長年愛用していたジーンズを修理の名人に直してもらいました。
手元に戻ってきたジーンズは、絶妙の色合いと履き心地です。穴があいていた箇所には裏側から当て布がされて丁寧に補修されていました。元通り以上の仕上がりでした。
うつ病になってなかなか完治せず、苦しい日々を過ごしていたとき、恩師の先生に言われた言葉を思い出します。
「しっかり休んで治療すれば、また元の仕事に戻ることができる。病気になる前には気づかなかったことに気づけるようになって、元通り以上の働きをすることができるようになるよ。」
わたしが実際にそのようになれたかは分かりませんが、この言葉に勇気と希望をもらって回復することができました。
いま社会を見渡してみると、私たちの内に外にある、様々な傷や破れが目につきます。
心や体についた傷、人間関係の傷、家庭や社会に生じてしまった破れなど…。
神様は「わたしはあなたを癒す主である」(旧約聖書・出エジプト記15章26節)と言われました。
そして神様によって癒された者は「破れを直す者」として、周りの人たちに仕えることができるのです。
神様、わたしの破れを癒してください。そしてわたしを「破れを直す者」としてください、と祈ります。
セブンスデー・アドベンチスト八王子キリスト教会 牧師:伊藤 滋