あなたは、わたしに従いなさい。
あなたは、わたしに従いなさい。
学生時代、定期試験で配られた答案用紙を前に頭を抱えることがたびたびありました。
焦れば焦るほど、目の前の答案用紙ではなく「カリカリ…」という、周りから聞こえる鉛筆の音ばかりが気になってしまい、より一層絶望的な気持ちになったことを思い出します。
「隣の芝は青く見える」という言葉がありますが、困難に直面したとき、あるいは何か失敗をして自信をなくしたとき、隣の人が気になり、自分よりもその人の方が数段優れているように感じられて、一層気落ちしてしまうことがないでしょうか。
十字架の死からよみがえられたイエス様とペテロのやりとりが、
<新約聖書・ヨハネによる福音書21章>
に書かれています。
裏切り者の自分が、もう一度弟子としてやっていくことができるのか? 自信を失い力を落としていたペテロに、イエス様は「わたしに従いなさい」とやさしく呼びかけられました(:19節)。
そのときペテロは、もう一人の弟子を見て「主よ、この人はどうなるのでしょうか」とイエス様に尋ねました(:21節)。
自分のことを考えるべきそのときに、他の弟子のことが気になってしまったペテロの気持ちが、よく分かるような気がします。
わたし自身、何かあるといつも周りの人と自分を比較して一喜一憂してしまう弱さを持っているからです。
イエス様がペテロに言われた言葉が、自分に言われているように感じられます。
「わたしの来るときまで彼が生きていることを、わたしが望んだとしても、あなたに何の関係があるか。あなたは、わたしに従いなさい」(:22節)。
わたしが隣りの人と比較してどうなのかではなく、ただ「あなたは、わたしに従いなさい」と、イエス様は言われるのです。
自分と他の人を比べて一喜一憂するのではなく、自分に与えられた道を、目的地目指して進んで行けたらいいですね。
イエス様の言葉は「あなたはあなたなんだから、自分らしく生きて行けばいいんだよ」と、やさしくわたしたちを後押ししてくれるようです。
*少しずつでも自分の道を進んでいくと、確実に目的地に近づくことができます。写真は三浦半島国道134号線の景色です。
セブンスデー・アドベンチスト八王子キリスト教会 牧師:伊藤 滋