あなたを放さない
あなたを放さない
「あなたを放さない」と言われたら、嬉しいですか?それともうっとうしく感じますか?
旧約聖書にヨナという人物が登場します。ヨナは神様から「大都市ニネベに行きなさい」という命令を受けます。
ニネベの街は堕落していました。そんな街に行って何を伝えても自分の言葉に耳を傾ける人などいるものか、と思ったヨナは「主から逃れようとして」<旧約聖書:ヨナ書1章3節> ニネベではなく、タルシシュ行きの船に乗り込みました。
しかし神様はヨナを放しませんでした。ヨナが乗った船は大嵐に遭い、海に投げ込まれます。大きな魚に呑み込まれ、命拾いしたヨナは神様からもう一度「ニネベに行きなさい」との命令を受け、本来の目的地であったニネベに行って使命を果たしました。<ヨナ書 1~4章参照>
「あなたがどんなに逃げようとしても、神様のご計画からは逃げられないよ。ヨナがどんなに逃げようとしても神様の手から逃げられなかったように。神様はあなたを絶対に放さないから。」
神学生のとき、卒業後の進路を決めることが出来ず(本当は牧師になりたかったが、自信がなかった)ふらふらしていた私の腕を掴んで、ある教会員の方が言ってくれた言葉です。
「神様が自分のような者を諦めずにとらえていてくださる」そのことが嬉しくて、涙がこぼれ落ちたのを忘れることができません。
神様の招きを受けながら、自信のなさや自分の弱さのゆえになかなか従うことのできない者を、見捨てることなくしっかりととらえて放さない神様の愛を思うとき、心に感謝が湧いてきます。
*今週出会った風景:朝日を受けて輝く森の中の小さな花。片倉城址公園にて。
セブンスデー・アドベンチスト八王子キリスト教会 牧師:伊藤 滋