黄金律
黄金律
牧師:伊藤滋のショートメッセージ:2014年3月8日号
~黄金律~
「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい」
<新約聖書 マタイによる福音書 7章12節>
私たちの教会の隣りには畑があります。大雪が降る前の日、いつも畑で農作業をしているNさんがわざわざやって来て「雪が降ったら捨てる場所に困るだろうから、畑に捨てていいよ」と声をかけてくださいました。
私は正直言って、その時はこのNさんの言葉のありがたさをそこまで理解していなかったのですが、2週続けて大雪が降り、その後片付けをしながら「Nさん!本当にありがとうございます!」という感謝の念がわき上がってくるのを感じていました。
周りの住宅や道路では雪かきをしたくても雪を捨てる場所がなく、雪がうずたかく積み上げられていましたが、Nさんのおかげで教会の周りの雪はすべて畑に隣接する土手に運んで片づけることが出来たからです。
先日、かなり雪も解けたころ、Nさんが畑にやってきました。「本当に助かりました!」とお礼を言いに行くと、Nさんはこのように言われました。
「雪が降ったらきっと困るだろうなって思ったから。また何か困ったことがあったら言ってくださいね。」
Nさんの言葉を聞きながら、「黄金律」と言われる先の聖書の言葉が思い出されました。
誰かが自分に「して欲しいこと」をしてくれたとき、今度は自分もその人に、あるいは周りの他の人に「して欲しいこと」をしたい!という気持ちに自然とさせられる。その結果、親切や優しさ、思いやりが静かに広がってゆくのかもしれません。
Nさん。大切なことを、身をもって教えてくれてありがとうございました。
セブンスデー・アドベンチスト八王子キリスト教会 牧師:伊藤 滋